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子宮頸がん

更新日:2024年4月4日

治療について

大多数を占める扁平上皮癌には、手術と放射線療法があり、どちらも同程度の治療効果を持っています。癌の進行の程度や患者さんのその他の状態により治療方法を選択することが原則です。一般的にI、II期には手術、放射線治療のいずれかが主治療として選択され、III、IV期では放射線治療と抗がん剤治療の併用が行われます。最終的には患者さんの御希望も踏まえて、治療方法が決められます。

手術療法:手術としては初期癌の場合は、できるだけ合併症が少なく、患者さんの負担の少ない縮小した手術治療が選択される様にしています。但し、初期癌かどうかをはっきりさせるために種々の検査が必要で、場合により、子宮頸部円錐切除術という検査のための手術が必要なこともあります。初期癌を越えた早期子宮頸癌に対する手術としては、広汎子宮全摘出術というリンパ節も一緒に摘出する大きな手術が標準的な手術となります。この場合は、後で述べる種々の後遺症がおこることがあります。最近では可能な場合はできるだけ縮小した後遺症の少ない広汎子宮全摘出術が選択されます。

放射線治療:放射線治療は外部から放射線を照射する外部照射と子宮内に線源を挿入する腔内照射の2方法を併用して行います。腔内照射を厳密に行うことが治療の鍵です。これらの治療は放射線治療の専門医が精密な放射線治療機器を用いて行うことになります。最近、放射線療法に比較的少量の抗癌剤を併用すると治療効果が増すことがわかり、放射線療法には抗癌剤を併用することが標準治療となっています。少数の腺癌は、放射線療法の効果がやや落ちるため、主に手術を選択します。場合によっては、主な治療の前後に抗癌剤を使用することもあります。

放射線治療科では高精度放射線治療として、2010年には強度変調放射線治療(IMRT)を開始しました。強度変調放射線治療は前立腺、婦人科領域、頭頸部領域を中心に、種々の疾患に対して治療を行っています。これらの治療法で、病変にはより高線量を投与しつつ、周囲の正常組織の無駄な被ばくを減らして治療することが可能となりました。

上にお示ししました外部照射(体外から放射線を照射する方法)に加えて、高いエネルギーの放射線がでるチップのついたワイヤーを病変部に直接挿入・刺入して治療を行う方法があります。この治療法は小線源治療といい、病変により多くの線量をあてて、正常組織への無駄な放射線照射を減らすことに役立っています。小線源治療は婦人科領域を中心として年間30-40例程度を行っています。

治療の合併症・後遺症:治療に際しては、子宮頸癌が膀胱・直腸・尿管といった臓器のそばに発生することと、かなり大掛かりな治療が必要なため、いずれの治療も様々な合併症(治療に伴う不都合)や後遺症がおこることがあります。しかし、できるだけそのような不都合が起こらない様に、また起こっても軽度にとどまるような工夫が積み重ねられています。主な合併症、後遺症を簡単に下記に示しています。

<手術の合併症・後遺症>

  1. 神経因性膀胱:排尿障害(尿意がない、排尿できない、尿漏れ、尿や便が出にくくなる。
  2. 排便障害:便秘になりますが、通常はお薬で調整できる様になります。
  3. リンパ浮腫:リンパ節郭清を行うため下肢、外陰、下腹部のリンパの流れが悪くなり、むくみがおこってきます。弾性ストッキング、マッサージ等でできるだけ予防します。
  4. 手術時の合併症:開腹手術に伴う出血、腸閉塞、感染、等の合併症。

<放射線療法の合併症・後遺症>

  1. 放射線宿酔、下痢:治療中に起こる合併症で、気分不良、食欲不振、嘔心嘔吐、および下痢症状があります。
  2. 放射線腸炎・膀胱炎:治療後、数ヶ月、数年経過してから起こってくる腸、膀胱粘膜の障害で、血尿や血便がおこります。さらに高度な場合は腸閉塞や腸・膀胱が穿孔することがあります(膀胱腟瘻、直腸腟瘻)。

<化学療法(抗癌剤治療)の合併症>

脱毛、骨髄抑制(白血球減少、赤血球減少=貧血、血小板減少)、嘔気・嘔吐、等。

診療実績

治療症例数の推移(根治的放射線治療例を含む)

進行期/年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
I 31 32 36 49 34 41 44 30 24 33
II 10 13 16 23 19 15 13 17 18 11
III 1 4 5 4 15 6 11 8 20 22
IV 9 10 5 4 6 6 7 5 7 9
51 59 62 80 74 68 75 60 69 75

悪性腫瘍及び合併症の手術の推移

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
広汎子宮全摘術 24 21 18 26 13 22 23 15 18 27
準広汎子宮全摘術 5 5 12 6 9 3 9 5 3 6
腹式単純子宮全摘術 2 0 4 4 1 2 1 1 5 3
腹腔鏡下単純子宮全摘術(CC 1A1)2016- 1 4 1 2 4 6 6 3 0 0
全骨盤除臓術 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他 0 0 1 0 1 0 0 0 1 6

放射線新規治療登録症例数

  2019年 2020年 2021年 2022年
子宮頸部 34 32 51(*1) 35
*1:2021年度分 他は当該年分

紹介時から治療までの期間

治療・検査内容 初診~入院までの期間:通常 担当診療科
手術 3~6週間 婦人科
放射線化学療法 2~3週間 婦人科・放射線治療部