診療方針
緩和治療科は、当院の基本理念“病む人の気持ち”、“家族の気持ち”を尊重し、がんと診断されて以後の積極的治療中に生じる諸症状(疼痛、悪心・嘔吐、呼吸困難など)の身体症状緩和に対して、主治医や看護師など多職種医療従事者と連携しながら対応していくことを基本方針としています。多職種から構成されている緩和ケアチームの中で、サイコオンコロジー科とともに身体的精神的苦痛症状の専門的緩和治療を行っています。
当院の緩和ケアチームの診療形態は、国内外の基準にそって(J Pain Symptom Manage. 2009;38(4):496-504.)
- 医療従事者と合意のうえ、緩和ケアチームが直接患者・家族と会い、診療・ケア等を行い、
- 医療従事者が抱えている緩和ケアに関する困難な問題を、日常業務の中でより効果的に解決できるようにするために、緩和ケアチームが医療従事者に対して行う支援(コンサルテーション)を行っています。
- アセスメントは、可能な限り標準化されたツールを用いて行い、推奨および直接ケアは患者・家族の個別性に配慮し、可能な限り診療ガイドラインに基づいて行うよう心がけています。
- そして、患者・家族だけでなく、病院・診療所の特性や医療従事者のニーズに合わせて、緩和ケアチーム内および依頼元の医療従事者と話し合いのうえ、患者・家族のケア方針を決定しています。
診療上の特色
緩和医療とは、がん患者とその方を支えるご家族の身体と心の苦痛を和らげる医療です。がんと診断されて以後の積極的治療中に生じる諸症状(悪心・嘔吐,全身倦怠感など)の緩和を図り、日常生活を営むための社会的支援の情報提供も行っています。主治医や看護師と連携しながら、患者だけでなくご家族も含めて、皆様の身体的、心理社会的苦痛に対応して参ります。