病理診断科
更新日:2022年12月14日
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九州がんセンター臨床検査科・病理診断科はISO15189認定施設です。
臨床検査科・病理診断科では2017年12月7日にISO15189認定を取得致しました(一般検査、血液学的検査、生化学的検査、輸血検査を含む免疫学的検査、微生物学的検査、生理学的検査、病理標本作成、病理診断)。この認定は、検体採取から検査報告までの一連の検査業務において、国際標準規格を満たしていることを示すものです。当科では、検査の品質維持において欠かせない、教育、文書管理、検体管理、機材・施設管理、精度保障を軸に、検査手順の可視化と手順に沿った実施及び記録、それらの運用の教育、監査及び評価というサイクルを確立し、より一層改善させることを目標としています。一つ一つの検査結果の信頼性向上が、患者さんへのさらなるサービス向上につながるよう、検査室一丸となって今後も継続的に努力して参ります。(文責 病理診断科部長 田口健一)
診療方針
病理診断科の主たる業務は病理組織診断、細胞診断、剖検診断で、毎日の臨床各科とのカンファレンスに特に重点を置いています。常勤医3名、嘱託医2名で病理診断を行っています。
病理診断科のミッションは「がん診療における医療の質向上のための問題解決型病理の実践」です。診療科の先生方は日々の診療の中でいろんな疑問や問題が発生すると思います。当科においてはその疑問や問題が病理に関するものであれば積極的に協力したいと考えています。それらを重要性・緊急性の高いものから一つ一つエビデンスを創出しつつ問題解決を図り、医療の質、特にがん診療の質向上を目指します。
基本方針は当センターの基本理念「病む人の気持ちを」に沿い、患者・家族・臨床の先生方の要望に適うよう正確かつ迅速に病理診断の実施・報告を行っていくことです。更にそれらのシステム整備・精度管理に努めてまいります。加えてエビデンスのある診療に有用な新規技術の情報収集・情報提供・導入・フィードバック等を行いながら、新たなニーズ及びエビデンスの創出を目指します。同時に学術研究推進・支援を行います。
年間の組織診断数は8000件、細胞診断数は9000件(術中迅速組織診断数は750件、術中迅速細胞診断数500件)です。診断においては九州大学大学院医学研究院形態機能病理学教室と密に連携を取っています。また、当院に隣接する臨床研究センターでの治験・臨床研究や研究リソースとしての腫瘍バンク運営に積極的に関わっています。
診療実績
病理件数基本データ
病理件数 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
組織診 |
組織診総件数(1~3臓器) |
6,835 |
6,749 |
6,695 |
7,033 |
5,672 |
術中迅速 |
715 |
696 |
649 |
691 |
634 |
特殊染色 |
296 |
521 |
200 |
249 |
417 |
免疫染色 |
1,194 |
1,561 |
1,444 |
1,357 |
1,633 |
ER・PgR |
629 |
655 |
625 |
543 |
493 |
HER2 |
585 |
599 |
591 |
537 |
468 |
他院標本 |
499 |
560 |
636 |
708 |
700 |
剖検数 |
12 |
4 |
4 |
8 |
3 |
|
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
細胞診 |
細胞診総件数 |
7,737 |
7,501 |
8,772 |
7,408 |
5,891 |
婦人科材料 |
4,938 |
4,231 |
4,618 |
4,369 |
3,915 |
その他 |
2,799 |
3,270 |
4,154 |
3,039 |
1,976 |
迅速細胞診 |
449 |
518 |
462 |
511 |
467 |
実施中の治験・臨床試験
レジデント・フェロー募集案内
九州がんセンター病理診断科は、レジデント(卒後3-5年目)、フェロー(卒後6年目以降)を募集しています。研修期間は、原則2年(場合によっては1または3年)です。
- 病理診断科について
病理診断科は臨床科から提出された組織・細胞検体の組織・細胞診断を主に行っており、病理解剖もしています。適切な組織・細胞診断は治療方針の決定に必須であり、また近年はがんゲノム医療にも重要な役割を果たしています。一方、患者さんを直接診察することはないため、当直はなく比較的自分のペースで働くことができます。
- スタッフと業務内容について
病理医は男性2名、女性2名の4名で、うち3名は専門医を取得しています。病理技師は7名で、うち4名は細胞検査士です。約8000件の組織診断と約9000件の細胞診断を正確に迅速に行うため、互いに協力しています。若くて元気な20代から経験豊富な50代まで幅広い年齢層が働いています。
業務内容の改善や診断が分かれた時などにはみんなが納得できるまで徹底的に話し合い、チーム医療を心がけています。
- もっと頑張りたい人へ
病理診断科は九州大学大学院医学研究院形態機能病理学教室と密に連携を取っています。専門医や学位取得を目指したい人には推薦することも可能です。
- 医療現場から離れている人へ
新しい医療についていけるだろうか?患者さんとうまく接することができるだろうか?家庭の都合で当直はできないけれど大丈夫だろうか?などあると思いますが、病理診断科ではすべて大丈夫です。
まずはできることから始めてステップアップしていきましょう!
- 勤務体系や給与について
詳細は、本ホームページの「レジデント募集案内」もしくは「フェロー募集案内」をご覧ください。
スタッフ紹介