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トピックス

TrueBeam STxの特長:世界最高レベルのピンポイント精度と呼吸同期システム

腫瘍形状に最もフィットしたピンポイント照射野で、回転しながら照射野が自動的に腫瘍形状そのままに変化します。1~2分の照射で治療できる患者さんに優しい最先端治療です。

TrueBeam STx

画像誘導放射線治療(Image Guided Radiotherapy:IGRT)

ExacTracシステム

従来の放射線治療装置では4方向(縦・横・高さ・水平回転)にて位置補正を行っていましたが、ExacTracシステムを用いる事で6方向(4方向+縦回転・横回転)の位置補正ができ、より精度の高い放射線治療を行う事ができます。

 

1.ExacTracの準備

リファレンスアレイと呼ばれるマーカーを体の上に置きます。

ExacTracシステム ExacTracシステム

リファレンスアレイには赤外線反射マーカーが装着されており、赤外線カメラにより正確な寝台(=ベッド)位置を知る事ができます。

 

2.X線画像撮影

床に埋め込まれたX線装置を用いて2方向からX線画像撮影を行います。

ExacTracシステム

 

3.補正値計算

X線画像位置決め用基準画像を3次元的に比較して位置の補正(0.01mmの精度)を行います。

(頭部放射線治療)

ExacTracシステム

1:X線画像

ExacTracシステム

2:位置決め用基準画像

ExacTracシステム

1+2の融合画像

1+2の融合画像によりコンピューターにて補正値を計算します。

 

4.補正値の修正 寝台(=ベッド)移動 

補正値を修正するため寝台の位置を移動させます。
寝台は4方向(縦・横・高さ・水平回転)だけで無く、回転方向(縦回転・横回転)にも移動します。

(従来の寝台移動) 4方向(縦・横・高さ・水平回転)

ExacTracシステム

縦方向移動

ExacTracシステム

横方向移動

ExacTracシステム

高さ方向移動

ExacTracシステム

水平回転移動


(ExacTracを用いた寝台移動)
 6方向(4方向+縦回転・横回転)

ExacTracシステム

縦回転移動

ExacTracシステム

横回転移動

~より高い精度で体の位置補正ができます~

CBCT(Cone Beam Computed Tomography)

1.CBCTの紹介

  • 当院で稼働しているTrueBeam、TrueBeamSTxの2台ではCBCTの撮影が行えます。
  • CBCTとはCT検査と同様に3次元画像を取得し、骨構造及び筋肉・脂肪などの軟部組織を様々な方向から確認を行うことで、詳細な位置合わせを可能にするシステムです。

 

~放射線治療前に体内の変化を確認することができます~

放射線発生時の様子

X線装置が回転する様子

2.CBCT使用例(頸椎の放射線治療)

頸椎の3次元画像

拡大画像

  • 頸椎の放射線治療は腫瘍部分(黄色矢印)脊髄(赤矢印)が密接しており、CBCTを用いることで精度の高い放射線治療が可能になります。
  • 脊髄を避けることで、放射線による副作用を低減できます。

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)

空間的・時間的に線量率の異なる最適な放射線ビームをコンピュータで計算して、装置を可変速度で回転させながら1~2分で照射する方法です。
腫瘍の形状によりフィットした治療線量分布を作ることができます。

強度変調放射線治療

 
頸部IMRT動画  腹部IMRT動画

定位放射線治療

  • 位置合わせの精度が1mm以内の高精度放射線治療装置を用い、病変部の形状に一致させた ピンポイント照射を行います。
  • 正常組織の被ばくを極限まで抑えて副作用を低減するとともに、病変に十分な線量を与えることにより1回もしくは数回の放射線治療で手術と同等の治療効果が得られます。
  • 外科手術が困難な部位にある病変に対しても治療可能です。

頭部

脳定位照射専用固定具とIGRTの組み合わせによって、以下の適応疾患にピンポイントで照射します。
 転移性脳腫瘍、聴神経腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、神経膠腫、脳動静脈奇形等

体幹部

呼吸などの生理的な動きがある以下の適応疾患にも対応可能です。
 原発性肺癌、転移性肺癌、肝細胞癌、転移性肝癌等

化学放射線療法

放射線と薬剤の相互効果で局所効果が向上することや、微小遠隔転移が薬剤で制御されることにより治療全体の効果が向上します。適応疾患としては肺癌、頭頸部癌、食道癌、子宮頸癌などがあります。

代表的な疾患別高精度放射線治療

頭頸部癌

頭頸部には嚥下、咀嚼、発声、呼吸などに関わる非常に重要な機能があるため、頭頸部癌治療はいかに機能を温存するかが大切です。

頭頸科医師と協力しながら上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌、上顎洞癌、口腔癌などに対してIMRTを含む放射線治療を行っています。


肺癌

遠隔転移やリンパ節転移のない原発性肺癌や肺以外に転移のない転移性肺癌には、呼吸器腫瘍科医師と協力しながら体幹部定位放射線治療を行っています。

また、局所進行性肺癌および限局性小細胞肺癌に対しては化学放射線療法に取り組んでいます。


前立腺癌

放射線治療は、切らずにがん治療を行うことができ、男性機能や尿路系機能の障害を抑え、治療後の生活の質(Quality of life:QOL)を高く保つことが可能です。

当院では、リニアックによる1)強度変調放射線治療(IMRT)及び2)画像誘導放射線治療(IGRT)を用いて放射線治療を行っています。

 

1)強度変調放射線治療(IMRT)
IMRTにより腫瘍の形に合わせて放射線を照射することで、周囲の正常組織(直腸や膀胱など)の線量を低減し、副作用(直腸出血、血尿など)が起こる確率を抑えることができます。さらに、従来では合併症のリスクから放射線を照射する量が限られていましたが、IMRTでは線量集中性が増加するため、高い治療効果が得られます。

 

2)画像誘導放射線治療(IGRT)
IGRT(画像誘導放射線治療)の技術により、周囲の正常組織に当たる線量を最小限に抑えつつ、精度の高い放射線治療を行うことができます。
例えば、直腸の状態は常に変化しますが、治療の直前に毎回CBCTを撮影し、確認を行います。左下図の様に、直腸ガスが存在する場合、そのまま放射線を照射してしまうと正常な直腸も多く含まれてしまうため、一度ガスを排出することで、最適な状態で放射線治療を行うことができます。