GEMチームリーダーあいさつ
当院では院長のリーダーシップのもと全スタッフが参加し安全で良質ながん医療を実践する活動「オール九州がんセンター」を行っています。その取り組みの一つとして、高齢がん患者さんのケアの質向上を目指して、多職種からなるチームが活動しています。私は2018年9月に当院で日本初の老年腫瘍科を開設し、2019年4月にこのチームのリーダーとなりました。そして、チームの名称を老年医学において長年に行われてきた「多面的な患者さんの評価と問題点への介入を意味するGEM(Geriatric Evaluation & Management)」としました。
当初、医師、看護師、心理士でスタートした活動を、少しずつより多くの職種に広げ、現在では、薬剤師、理学療法士そして栄養士も一緒に活動しています。このチームでは、数名のコアメンバーが中心となり、当院の高齢者診療の問題点を話し合い、優先順位を考えた上で、問題点への対応方法を考え、関係部署と協議し新たな取り組みを行っています。実際に臨床現場で新たな取組を始めるためには、患者さんのケアに直接関わることが多い看護師の協力が必須です。このため、GEMチームは、コアメンバーと各病棟から選出されたリンクナースでミーティングを開催しています。この場で、問題点の共有や取り組み方法の教育などを行い、リンクナースはこのミーティングで学んだことを各病棟に周知する役割を果たしています。
GEMチームは多職種で協同して、高齢がん患者さんに質の高いケアを提供できる「Age-Friendlyな病院」を目指したいと考えています。
老年腫瘍科(消化管・腫瘍内科併任)西嶋 智洋