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がん患者さんに対する新型コロナウイルスワクチンについて

2021年06月01日

新型コロナウイルスに対するワクチン接種が、高齢者を対象に接種が始まりました。新型コロナワクチンについて現時点でわかっていることをお伝えします。

Q1.がん治療中でも、新型コロナウイルスワクチンを打ってもよいでしょうか。
   厚生労働省は治療中の悪性腫瘍を優先接種のひとつとしてあげています。しかし、抗がん剤治療中のがん患者さんに対して、新型コロナウイルスワクチンが有効なのか、うまく免疫が獲得されるか、どのタイミングで打つのが良いか、がんの種類によって異なるか等の十分なデータはいまのところありません。このため、我が国のがん治療に関与する主要3学会(日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会)は、ワクチンについてできるだけ正しく評価、判断できるように「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療について Q&A-患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版-」を作成し、公表しています(2021年3月29日)(http://www.jsco.or.jp/jpn/index/page/id/2377)。それによると、治療中のがん患者さんは「主治医と相談のもと、接種を前向きに検討すること」を推奨しています。がん患者さんであってもワクチンの成分などにアレルギー等がなければ、ワクチン接種を前向きに検討するよう記載されています。接種する時期に関しては主治医へご相談ください。

Q2.ワクチン接種の対象になりますか。
   厚生労働省で決定された接種順位は、1)医療従事者等、2)高齢者(昭和32年4月1日以前に生まれた方)、3)高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、4)それ以外の方となっています。がん治療中の方は、3)の「基礎疾患を有する方」に含まれます。がん治療が終了し経過観察だけを行っており現在がん治療をうけられていない65歳未満の方は、4)にあたります。市町村からの最新の情報をご確認ください。

Q3.どのようなスケジュールで接種しますか。
   ファイザー製のワクチンは、1回目の接種の後3週間あけて2回目の接種が行われる予定です。1回目から3週間を超えた場合には、できるだけ早く2回目の接種を受けてください。

Q4.ワクチン接種の副反応はどのようなものがありますか。
   穿刺部の痛み、腫れ、発熱、悪寒(寒け)、頭痛、体のだるさ、関節痛、吐き気や嘔吐などの症状が報告されています。2回目の接種後に熱が出やすいということもわかっていますので、接種時期については主治医にご相談ください。
   またアナフィラキシーという強いアレルギー反応の報告もあり、10万人に1人程度とされています。ワクチン接種をした後は、しばらく接種会場にとどまり、体調の変化がないことを確認してから帰宅することになります。いままでに他の薬で意識を失う、冷や汗が出て血圧が下がるなど激しいアレルギー症状を起こしたことのある方は、あらかじめ接種会場の医師にご相談ください。

Q5.どこでうけられますか。
   住民票所在地の市町村の指定医療機関や接種会場で接種を受けていただくことになります。当院でのワクチン接種予約は現在受け付けておりません。お住いの市町村からの情報をご確認ください。