代表番号

092-541-3231 092-557-6100

受付時間 : 平日 8:30~17:15

予約センター

092-541-3262

受付時間 : 平日 8:30~16:00

新患受付時間 8時30分~11時
休診日 土・日・祝日
年末年始
面会時間 平日:14時~19時
休診日:11時~19時
アクセス 交通アクセス
GoogleMap 地図
お問い合わせはコチラ







ホーム  >  お知らせ  >  一般の方へ  >  第9回九州がんセンター市民公開講...

第9回九州がんセンター市民公開講座の質問回答を掲載しました

2019年11月05日

 

令和元年10月5日(土)の市民公開講座は終了致しました。
講座に参加して頂いた皆さん、質問して頂いた皆さんありがとうございました。
頂いた質問に対して回答を掲載しております。

 


 
令和元年度(令和元年10月5日開催) 市民公開講座
「がんと共に生きる~自分らしく活き活きと~」
質問への回答

 

【がん手術後の体調管理(消化管外科医長 太田光彦)】

・大腸がんで腹腔鏡手術(直腸切除・リンパ節切除)後、10ヵ月目です。歳は80歳代ですが、とにかくだるい。だるいのは何故?抗がん薬はしてない。手術のみです。内科は抗がん薬すすめたが、外科は歳と体重など考えて拒否されています。
術後は自分の体の変化を思うようにいかないと感じることは多くの方が経験されます。具体的にからだのだるさの原因はいろいろな可能性があります。直腸の術後であれば、術後の体重減少や体力低下、下痢や頻回の排便による脱水、生活リズムの変化などが関連する可能性が考えられます。また癌による症状、持病の病状や新たな疾患の発症などもあるかもしれません。しかし、それぞれのケースで違いますので、主治医やかかりつけ医とよく相談されることをお勧めします。術後の症状であれば、時間とともに折り合いがついてくることが多いです。

 進行性がんで定期検診が10ヵ月ごとです。(手術は去年の12月)先生によって(もちろんクライアントの状態)違うのでしょうか?
術後の定期健診間隔は疾患やその病状により異なります。疾患によってはガイドラインで定期検査の間隔の例を示しているものもあります。実際は手術で分かった病気の進行状況、術後の症状、術後の治療の状況などを考慮して個別に考えることになります。

・インターネット、本などでビタミンの摂取を勧めている事が多いのですが、食事だけだと難しい場合があります。薬局やネットで個人的に購入して飲んでもいいのでしょうか?
術後の体調を整えるのに大切なことの一つがバランスのとれた食事をとることです。胃の術後など特定のビタミンやミネラルが不足しがちになることはありますが、自分だけの判断でサプリメントや健康食品を摂取することはお勧めしません。サプリメントや健康食品といっても副作用がでることがあるので、主治医とよく相談してください。また、国立がん研究センターが提供している、がん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/index.html)はさまざまながんの情報があり参考になります。

 

【がん薬物療法中の体調管理(消化管・腫瘍内科医師 薦田正人)】

・血糖値が上昇し、薬を飲みながら治療しています。食欲がない時でもなるべく食べようと好きな物を食べてしまいますが血糖値のことも気にかかります。どちらをとった方がいいのでしょうか?
食欲のない時期に甘いものばかりを食べて、糖尿病の血糖値コントロールが悪化する患者さんが確かにいらっしゃいます。食欲がないときのおすすめの食事について、当院の管理栄養士による栄養相談を経て、食事の管理がうまく出来ている患者さんもいらっしゃいます。ご相談ください。

・抗がん薬の中にホルモン治療がありますが、これも殺細胞性抗がん薬と同じ副作用が考えられますか?違うとすればどのような副作用がありますか?
ホルモン治療薬は、前立腺がん、乳がんの治療に用いられます。一般に殺細胞性抗がん薬と比べ、重篤な副作用は少なく、長期間安全に継続できる患者さんが多い治療法です。前立腺がんの治療で用いるホルモン治療薬の副作用は、ほてり、性欲の低下、女性化乳房、勃起障害、肝機能障害などがあります。乳がんのホルモン治療薬では、閉経前の患者さんで行うと、更年期障害でみられる症状(ほてり、頭痛、食欲不振、月経異常)が副作用として出ることがあります。また、骨粗しょう症にも注意が必要です。

・2~3診療科目があり、多剤を服用している場合の薬局(調剤)調整は各科医への進言、相談は可能なのか?
「医薬分業」になっており、調剤薬局ではどこの医療機関の処方箋でも調剤が可能です。院外の調剤薬局の選択は患者さんの自由になっています。担当医に相談する必要はありません。調剤薬局の選択に迷う場合は病院の受付で相談に乗ります。同じ調剤薬局で複数の診療科の処方薬を調剤してもらうと、薬の重複のチェック、飲み合わせ(薬物相互作用)が悪い薬のチェックを薬剤師がしてくれるのでおすすめです。問題のある処方が判明した場合は調剤薬局の薬剤師から処方した医師に疑義照会の連絡があり、処方の修正をしてもらえることがあります。

 

【治療を受けながら仕事を続けるために(医療ソーシャルワーカー 今村友紀)】

・相談支援事業において。がん患者を抱えている企業の人事担当者ががん患者に対し、どう対応したらいいかなどの相談をすることは可能ですか?
まず、がん患者の従業員とのコミュニケーションの取り方については、がん相談支援センターの相談員が対応の仕方についてアドバイスが可能かと思います。次に、労務や両立の事については、社会保険労務士が対応している「がん就労相談支援事業」へのご相談が可能です。また、企業への支援として「啓発活動」や「アドバイザーの派遣」「補助金制度」などがあり、福岡県のがん感染症疾病対策課が相談の窓口となります。

・身内がいないため保証人のサインをもらうことが出来ず入院を断られてしまい体調も悪く困っている人がいます。このような場合、市役所では相談窓口はないそうです。これからお1人様は増えていくと思います。どうしたら入院し治療を受ける事が出来るようになりますか?
少子高齢化の影響で、頼れるご家族がいらっしゃらない方は増えてきている様に感じます。一般的に、入院する際には治療費に関しての連帯保証人や、退院や万が一の際の身元保証(引受)人を選定する必要があるかと思います。皆さんが事前(元気なうちに)に出来る事としては、がん治療などを受ける事になった場合に誰を頼りにする事が出来るのかを考えておく事だと思います。最近は、事前に契約(有償)する事で、保証対応を行ってくれる団体もあります。九州がんセンターでは、対応にお困りの方が入院治療をされる場合、医療ソーシャルワーカーが早期に介入し、対応策をご本人と共に考えさせて頂いています。

 

【ちょっと心をほぐしてみませんか(認定臨床心理師 白石恵子)】

・死に対する不安で眠れないという訴えに対してのアドバイスについて。腹式呼吸をしてリラックスしていつの間にか眠れるのでその方法をすすめていますが、他にもありますか?(訪問看護師より)
リラクゼーションの方法は、呼吸法以外にも漸進的筋弛緩法やイメージ法などいつくか代表的なものはあります。不安で眠れないということですので、不安を具体化して認知行動療法のような働きかけも可能かもしれません。またお薬も体をリラックスさせる効果があるものもあります。  患者さんが一番利用しやすいもの、できそうと思える対処が継続性もありますし、効果的だと思います。患者さんとお話しながら、腹式呼吸で眠れるというようでしたらそれで良いんだという保証をしていくのもいいのではないでしょうか。

・再発した時の心構えは?
再発した時のショックは、初発の時よりもしんどかったと語られる患者さんは多くいらっしゃいます。 ただ再発についてずっと考え続けて毎日を送るのもしんどいため、今自分にできることを最大限していると自分で納得するようにしてみてはどうでしょうか?再発した場合は、主治医から納得した説明をうけ、不安なことは誰かに具体的な内容を相談してみると、自分の気持ちの整理につながり、次第とその状況に自分自身が適応しようとしていくことと思います。 また再発して死を連想してしまうこともあるかと思います。がんと付き合うための心構えとして「最高の結果を期待して、最悪の状況に備える」ことが重要です。時には死を意識することも出てくると思いますが、今を生きる想いを大切に見ていくことをお勧めします。

・最後にチラッと、良い言葉のスライドがあったようなので、それを教えてください。