当院小児科医長の中山が実務担当者として以下の調査を行います。本調査へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
「再発・難治性急性骨髄性白血病(AML)に対するFLAG療法の使用実態について一次調査のお願い」
拝啓
時下諸先生に置かれましては益々ご清祥のことと存じます。
さて、このたび日本小児血液・がん学会保険診療委員会では、上記の実態調査を実施させていただくことになりました。本件は、日本小児血液・がん学会理事長の承認、日本小児がん研究グループ(JCCG)運営委員会での承認、および実務担当者施設である九州がんセンターの倫理審査委員会承認を得ております。
ご存知のように、再発・難治性AMLに対して欧米ではフルダラビン、シタラビン、G-CSFを併用した化学療法(FLAG)の使用実績があり、本邦においても成人に対するFLAGの第二相臨床試験で、その有効性と安全性が報告されています。JPLSGにおいても臨床試験AML-R11が実施されましたが、フルダラビンがAMLに対する保険適応を有しておらず、G-CSFも化学療法薬と同時に投与されることが認められていないため、FLAGなどのフルダラビンとG-CSFを併用した化学療法はAMLに対する保険適応を得ておりません。
そのような経緯から2017年に日本小児血液・がん学会と日本血液学会が、公知申請によるフルダラビンとG-CSF併用化学療法の再発及び難治性AMLに対する適応拡大を申請しました。厚生労働省「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて検討していただいた結果、本申請を評価するにあたっては、国内におけるFLAG療法の使用実態調査を実施するよう指示がありました。そこで当学会会員の属する病院の大半が参加するJCCGにおいて本調査を実施することにいたしました。
今回の調査結果は学会や医学専門誌での公表は行わず、同検討会議、調査参加施設およびJCCG疾患委員会のみに報告を予定しています。そのため疫学研究ではなく実態調査として実施予定ですが、診療情報を扱うため統一指針に則って実施いたします。本調査はすでに得られている既存臨床情報のみを用いた後方視的調査であり,被験者への侵襲を伴う試料採取は発生しないことから、インフォームド・コンセントを受けることは必須ではない調査となります。また調査目的及び調査内容は、実務担当者施設のホームページに公開し、被験者が調査へ参加することを拒否できる状況を整備しています。 調査実施にあたっては、ご施設のIRBまたは倫理委員会の承認は必須ではないと考えますが、各々の診療施設のIRB又は倫理委員会の倫理的判断も得るか否かは、各御施設の規定に準じて行っていただければ幸いです。
まず一次調査の回答を2019年7月31日までに調査実務担当者(中山)あてメールにて返信いただき、該当症例がございましたら、後日使用実態調査をお願いいたします。使用実態調査では、患者情報(疾患名、年齢)、投与薬剤(G-CSF製剤名、アントラサイクリン系薬剤名)、各薬剤の用法・用量、G-CSF製剤の投与量、有効性および安全性などを調査します。ご多忙のところ大変恐れ入りますが、公知申請のために必要な情報となりますので、何卒ご協力をよろしくお願いいたします。
敬具
2019年6月
日本小児血液・がん学会保険診療委員会
委員長 今泉益栄(調査代表者)
委員 田内久道、小川千登世、伊勢一哉、小川淳
加藤剛二、後藤裕明、中山秀樹
本調査に関する問い合わせ先
九州がんセンター
小児科 中山 秀樹
〒811-1395 福岡市南区野多目3-1-1
電話 092-541-3231