令和6年6月付で、日本の優れたがん研究を顕彰する「後藤喜代子・ポールブルダリ科学賞」が、当院呼吸器腫瘍科の庄司文裕医長に贈られました。
本賞はフランスの故ポール・ブルダリ氏が奥様の後藤喜代子氏を肺癌で亡くしたために創設され、今回が12回目の授与でした。
今回、受賞した論文は、日本人肺癌に対するがん免疫療法の治療効果が、腸内細菌叢の多様性や日本人特有の細菌種によって影響されていることを明らかにしたものです(Shoji F, et al. Gut microbiota diversity and specific composition during immunotherapy in responders with non-small cell lung cancer. Front Mol Biosci 2022, 9:1040424.)。
現在、本研究結果を踏まえて人工知能を用いて膨大な種類の腸内細菌叢の中から癌免疫療法治療効果を予測できる菌種を同定することを目的とした前向き観察研究やバイオティクス介入により腸内細菌叢を変化させることにより癌免疫療法治療効果増強に寄与するかを検証するランダム化比較試験へと展開しています。継続的な研究の発展性に対して諮問委員が本論文を評価して頂きました。
公益財団法人後藤喜代子・ポールブルダリ癌基金協会HP
https://kiyoko-foundation.or.jp/award/laureate-12/