腫瘍病態研究部このページを印刷する - 腫瘍病態研究部

腫瘍病理学研究室

本研究室では、research goalをがんの発生メカニズム解明としており、形態学的視点を重視しています。基礎生物学的知見あるいは逆に臨床的知見を積極的に取り入れつつ、発がんの分子異常を各経路で網羅的に解析し、digital pathologyを活用した定量性のある形態学的特徴と関連付けることで、個別化医療や発癌予防の一助となることを目指しています。

腫瘍分子生物学研究室

(欠員)

腫瘍生化学研究室

(欠員)

腫瘍遺伝学研究室

腫瘍遺伝学研究室では、DNA複製、DNA修復といった基礎的DNA代謝過程がどのように高い精度で遺伝情報とゲノム構造とを維持しているかを明らかにしつつ、その過程の異常がどのようにヒト細胞のがん化につながっているかを明らかすることを目指しています。また、その異常のがん薬物療法における意義を明らかにし、適切なバイオマーカーを開発することで、がんの診断・治療に貢献することも目指しています。具体的には、DNA修復過程の中で、とくにDNAミスマッチ修復(DNA mismatch repair, MMR)系に注目し、ヒト/真核生物MMRの諸性質を明らかにするとともに(1-3)、MMRがヒトゲノム上のマイクロサテライトをはじめとするリピート配列をどのように維持しているかを明らかにしてきました(3-5)。その結果、MMR異常をより正確に同定できるバイオマーカーとして特定のモードのマイクロサテライト不安定性(Microsatellite instability, MSI)を指摘し(4,5)、このモードのMSIが、がん細胞の5-FU耐性を正確に予言できることを、世界にさきがけて示しました(6)。免疫チェックポイント阻害剤(ICI)感受性についても、同様な強い相関を確認しており、公表を急いでいます。また、このモードのMSIを正確にとらえる検査手法についても、国内外の検査・バイオ企業と共同開発をおこなっています。

※主な公刊業績(番号は上記に引用)
  1. Oda S et al. EMBO J 19: 1711-1718, 2000
  2. Yoshida R et al. Eur J Hum Genet 19: 320-325, 2011
  3. Shioi S et al. DNA Repair 108: 103216, 2021
  4. Oda S et al. Nucleic Acids Res 33: 1628-1636, 2005
  5. Hayashida G et al. Exp Cell Res 377: 24-35, 2019
  6. Miyashita K et al. Sci Rep 14: 27257, 2024

腫瘍細胞生物学研究室

成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染によって引き起こされ、現行の有効な治療法を以ってしても、再発してしまうケースの多い難治性の疾患です。HTLV-1抗原に対する細胞傷害性T細胞(CTL)応答の再活性化を目的とした樹状細胞(DC)療法の臨床試験が当院主体で実施され、年単位での無治療無増悪期間の延長が多くの患者さんに認められています。なかには、CTL応答の再活性化がわずかであったにもかかわらず、長期寛解が維持される患者さんがいらっしゃることから、CTLとは異なる免疫細胞が長期寛解に貢献していると考えられます。当研究室では、DC接種後、CTLとは異なる免疫細胞が腫瘍細胞を制御する機序を明らかにするため研究を行っています。また、血液腫瘍の患者さんの血液細胞表面分子を迅速に解析することで、免疫療法を含めた治療法の選択に役立てています。