下咽頭がん(のどの下部)このページを印刷する - 下咽頭がん(のどの下部)

下咽頭がんの情報

下咽頭・頸部食道は、食道の入り口で前方に喉頭が隣接しています。呼吸、声をだす、ものを飲み込む際に重要な役割を果たします。下咽頭がんになると、(1)飲みこみづらい・飲みこむと痛い、(2)声がかれる、(3)息がしにくい、という症状がおこります。下咽頭がんはリンパ節に転移しやすい性質を有するため(4)頸部リンパ節腫脹もおこします。食道がんとほぼ同様の疾患で早期発見が難しく、予後不良のがんとされてきました。

治療について

下咽頭がんの特徴として、同時にあるいは時期をずらして食道にがんが発生する頻度が30%程度認められます。同時性・異時性どちらのがんの治療も侵襲が大きく、化学放射線治療、手術の際には高度な全身管理と高い技術が必要とされます。当センターでは、消化器外科・内科や放射線科との緊密な連携により、良好な成績を収めています。また近年内視鏡画像診断の進歩により、早期下咽頭がんが発見されるようになりました。これらの症例に対しては内視鏡切除のみで治療する症例も増えてきています。頭頸科での下咽頭がんの治療成績は世界的に見ても極めて良好な成績です。
下咽頭がんの治療で最も問題となるのは声帯の温存です。声帯をできるだけ温存するためにchemoradioselection戦略での治療を原則としており、手術をする症例に対しても喉頭温存手術の可能性を追求しています。化学放射線治療に良好な反応を示す症例は、手術をしなくても化学放射線治療だけで治癒が可能という考え方です。頭頸部がんでは最も予後不良とされる下咽頭がんの治療成績としては、世界的に見ても極めて高い生存率が得られています(Head and Neck 2014)。2011年4月からは化学放射線治療のやり方を改良しさらなる治療成績の向上を図っています。
ただし、局所進行のT4症例に対しては、化学放射線治療による根治および発声・嚥下機能の温存が極めて困難なため、根治手術を先行し術後に化学放射線治療を行う方針としています。下咽頭頸部食道がん切除後の食道再建には空腸による再建を行っています。外科・形成外科とのスムーズな連携により術後の重篤な合併症もほとんどありません。

当院で担当している診療科