有棘細胞がんこのページを印刷する - 有棘細胞がん

疾患名

有棘細胞がん

疾患の説明

表皮のほとんどを占めるケラチノサイトががん化した腫瘍です。長年にわたり紫外線を浴び続けた顔や手背などの皮膚に、光線角化症(または日光角化症)とよばれる、かさつきのある紅斑ができることがあります(図3)。下口唇にも同じような病変ができることがあり、日光口唇炎と呼ばれます。光線角化症と日光口唇炎はごく早期の有棘細胞がんで、がん細胞は表皮のみにとどまります(表皮内がん)。また原因が特定できない表皮内がんをボーエン病とよびます。いずれも進行すると深部に浸潤し、角化を伴う腫瘤や潰瘍を形成し悪臭を伴うようになり(図4)、リンパ節転移や遠隔転移を起こすことがあります。有棘細胞がんの原因として最も多いのは紫外線の長期曝露ですが、その他に、やけどのあと(熱傷瘢痕)、放射線、慢性の炎症(骨髄炎、褥瘡、膿皮症など)、パピローマウイルスの感染、タールの長期曝露、慢性ヒ素中毒など、さまざまな原因で有棘細胞がんが発生することがあります。昔の傷あとが盛り上がってきた、治りにくい潰瘍ができた、など、疑わしい病変では生検による組織の確認と、これまでの生活歴の把握が重要です。
  • (図3)光線角化症
  • (図4)有棘細胞がん

検査

皮膚生検では腫瘍細胞がケラチノサイトに類似していること、免疫染色でサイトケラチンを発現していることが特徴です。また腫瘍が表皮と連続していることが、肺や消化管などに発生した扁平上皮癌の皮膚転移との区別に重要です。
またCTやPET-CTによる転移の検索を行います。画像検査で明らかな転移が見つからなかった場合に、顕微鏡的なリンパ節転移を検出するセンチネルリンパ節生検を行うことがあります。
原発巣の浸潤が強い場合はMRIによる評価を行うことがあります。

治療

光線角化症やボーエン病のような表皮内がんの段階であれば、切除で完治します。また顔や頭部に発生した光線角化症では切除の他に、イミキモドクリームによる外用治療が可能な場合もあります。イミキモドは外用すると皮膚の免疫系を活性化し、強い炎症を起こすことでがん細胞を除去する効果がありますが、欠点として外用した部位にひりつきやびらんを生じること、治療期間が比較的長い(2~4ヶ月)ことが挙げられます。また角化が強い場合は効果がないことがあります。
有棘細胞がんの治療の第一選択は手術ですが、再発の危険性が高い場合は術後に放射線療法を追加することがあります。また手術ができない場合や、遠隔転移がある場合は放射線療法、化学療法、免疫チェックポイントによる治療を単独あるいは組み合わせて行います。

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