胆道がん
疾患名
疾患の説明

(図1)胆道の解剖
胆道とは、肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道のことです。肝臓の中を走る胆管は肝内胆管と呼び、肝臓の外に出てから十二指腸の出口(ファーター乳頭部)までを肝外胆管と呼びます。肝外胆管は、肝門部から胆のう管合流部までの肝門部領域胆管と、その先の十二指腸乳頭部までの遠位胆管に分類されます。胆のうは胆管の途中にあり胆汁を溜める袋状の臓器です。胆管、胆のう、乳頭部を合わせて胆道と呼びます。(図1)
胆道がんの種類
症状
検査
胆道がんの診断には、さまざまな検査が行われます。
血液検査
胆管が狭くなって胆汁の流れが悪くなると、ビリルビン、AST、ALT、ALP、γ-GTPなどの肝機能の数値が異常に上昇します。腫瘍マーカー検査では、CA19-9やCEAが測定され、がんの可能性を示唆しますが、これだけで診断は確定しません。画像検査
内視鏡検査
PET検査
これらの検査結果を総合して、胆道がんの診断と治療計画の立案を行います。
治療
手術療法

(図2)膵頭十二指腸切除術
転移がない場合に根治を目指してまずがんを切除する手術を検討します。主な術式には、膵頭十二指腸切除(図2)、胆管切除+肝切除、胆のう切除(±肝切除)、肝切除があります。手術方法はがんの位置や広がりに応じて選ばれます。
化学療法
転移がある場合、進行が進んで手術ができない場合、手術後の再発予防に行われます。また、胆道がんではMSI-High(高頻度マイクロサテライト不安定性)を有する場合、免疫チェックポイント阻害剤(キイトルーダ®)が適応となることもあります。
臨床試験(治験)は、まだ証明されていない新しい治療法を試験的に行う方法で、患者の同意を得て進められます。
がんゲノム医療は、がん細胞の遺伝子異常を調べ、個別の治療を選択します。胆道がんでは遺伝子パネル検査を通じて数十~数百種類の遺伝子異常を調べ、治療の選択肢を広げる可能性があります。治療標的となる遺伝子異常(FGFR、IDHなど)の頻度が高く、FGFR2阻害薬をはじめとして各種薬剤開発が進行中です。
放射線療法は、がんが進行して手術ができない場合や、痛みの緩和などの症状改善を目的に使用されます。
減黄治療は、黄疸が出ている場合に行われ、ERBD(内視鏡的逆行性胆管ドレナージ)やPTBD(経皮的経胆管ドレナージ)を用いて胆管を開通させ(図3)、肝機能を改善します。これにより、次の治療が可能になります。
(図3)減黄治療<ERBD>
(図3)減黄治療<PTBD>
当院で担当している診療科
ガイドラインの紹介
- 肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版(日本肝癌研究会編/2020年/金原出版)
- エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン改訂第3版(日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン作成委員会編/2020年/医学図書出版)
- 臨床・病理 胆道癌取扱い規約第7版(日本肝胆膵外科学会編/2021年/金原出版)