小児・思春期腫瘍科
取り扱う疾患
- 血液疾患、血液腫瘍
- 免疫性血小板減少症、再生不良性貧血、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、混合性あるいは分類不能型白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ランゲルハンス細胞組織球症など
- 固形腫瘍
- 神経芽腫、横紋筋肉腫、胚細胞性腫瘍、ユーイング肉腫、骨肉腫、その他稀な骨軟部腫瘍、肝・腎腫瘍、悪性黒色腫、頭頚部がん、脳腫瘍(脳幹部腫瘍、神経膠腫、他、手術不能脳腫瘍)など
診療方針・特色
小児がんの治療は、入院期間が長期に及ぶことが少なくありません。私たちは、こどもだけでなく、常にそばで支えるご家族もまた治療の一員であると考えています。医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、心理療法士、理学療法士、栄養士、緩和ケアチームなど多職種が協力し、治療面だけでなく、生活面・心理面・社会面を含めて支える体制を整えています。
療養環境の整備にも力を入れています。病室のみならず、廊下、プレイルーム、院内学級を含めた空間を無菌管理とし、安心して生活できる環境を整えています。付き添いベッドを完備し、長期入院に対応できるようご家族の生活環境にも配慮しています。また、付き添い家族向けの生活支援グッズの整備や、敷地内の宿泊施設の利用が可能であるなど、遠方から来られるご家族にも安心して滞在していただける体制を整えています。
特に再発難治例や稀少疾患に対して豊富な経験を有し、全国からのセカンドオピニオンを随時受け付けています。治療後の長期フォローや遠方からの患者さんの受け入れも可能であり、当院での治療歴がない場合でも、医療機関・患者さんからのご相談をいつでもお受けしています。
診療内容

初発時からのゲノム医療
血液腫瘍・固形腫瘍を問わず、初発時からゲノム医療を積極的に導入しています。形態診断、細胞免疫学的解析、染色体・遺伝子解析に加え、網羅的ゲノム解析を統合し、疾患の分子背景を踏まえた精密診断を行っています。得られた分子情報をもとに、分子標的薬や免疫療法を含めた治療戦略を早期から検討し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針を決定しています。
血液腫瘍に対する高度専門診療
急性白血病や悪性リンパ腫をはじめとする血液腫瘍に対し、標準化学療法に加え、新規分子標的薬や免疫療法を組み合わせた治療を行っています。再発・難治例に対しては、
- 血縁間/非血縁間骨髄移植
- 末梢血幹細胞移植
- 臍帯血移植
固形腫瘍に対する迅速診断と個別化医療
固形腫瘍に対しては、安全性に配慮したエコー・CTガイド下針生検により迅速に確定診断を行い、多剤併用化学療法を開始します。がんゲノムプロファイリング検査を活用し、特に骨軟部腫瘍や脳腫瘍において分子異常に基づく個別化治療を推進しています。
国際臨床試験・新規治療開発への参画
当科は標準治療の提供にとどまらず、国際共同臨床試験にも積極的に参画しています。
2026年3月より、特定の固形癌またはリンパ腫を有する小児患者、ならびに進行性メルケル細胞癌を有する成人患者を対象とした、ペムブロリズマブ(MK-3475)の第I/II相試験(KEYNOTE-G21)に参加しています。本試験は、免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブの安全性、忍容性、薬物動態および有効性を評価する治験であり、小児固形腫瘍・リンパ腫領域における免疫療法の確立を目指す重要な試験です。さらに、2024年12月からはONC201-108治験が開始され、びまん性神経膠腫に対する新規治療の開発にも取り組んでいます。これらの治験参画により、当科では標準治療のみならず、創薬開発段階の最先端治療へアクセス可能な体制を整えています。
緩和医療と切れ目のない支援
治癒を目指した治療と並行し、診断早期から緩和医療を導入しています。在宅診療や訪問看護と連携し、治療中から終末期まで切れ目のない支援体制を構築しています。身体的苦痛のみならず、心理的・社会的課題にも多職種で対応し、患者さんとご家族に最後まで寄り添う医療を実践しています。
診療実績
