国立がん研究センターの発表によると
日本人が生涯でがんに罹患する確率は
2013年のデータで男性62%、女性46%
ですが、その確率は男女とも50歳代から
増加し、高齢になるほど高くなると報告さ
れています。
一方、内閣府の発表によると日本の総
人口に占める75歳以上の人口の割合は
2017年の時点でそれぞれ13.8%です
が、今後も上昇が続くことが予想されてい
ます。つまり高齢のがん患者さんが増加
することが予想されますが、高齢者の場
合、若年者と比べて予備力に乏しく、糖
尿病や心臓病などの合併症があることも
多いためがん治療自体にリスクを伴うこと
が十分あります。また認知症などがん治
療をきっかけに判明する合併症もあります。
そのため高齢がん患者さんの治療を安全
に進めるためには治療前に患者さんの状
態を多面的に評価する総合機能評価や治
療を行う際は医師、看護師、理学療法
士、臨床心理士など多職種で連携
したサポートが必要になります。
当院では多職種で構成され
る高齢者・認知症対策チー
ムを立ち上げ、高齢患者さ
んの状態を十分把握した上
で治療法の選択ができるよう
2018年より高齢者機能評価
ツールG8を組み込んだ初診
時問診票を導入いたしました。またG8の
結果を踏まえて必要な患者さんには早期
に栄養指導やリハビリなど多職種でサポー
トできるよう連携を行っています。
今後も高齢の患者さんであってもより安
心して治療が受けられるような九州がんセ
ンターを目指して高齢者・認知症対策チー
ムの活動を発展、継続し
ていきたいと思います。
ISO15189認定による
検査室
の
活性化
RML01410
International Organization
for Standardization
臨床検査科医師
平田 明恵
多職種で
連携して患者さんを
支えます