N
ational
H
ospital
O
rganization
K
yushu
C
ancer
C
enter
婦人科医長
園田 顕三
乳腺科医長
岡本 正博
九州大学卒業後に産科婦人科の医師
となるべく、九州大学婦人科学産科学
教室へ入局し30年目を迎えました。こ
の節目の時期に九州がんセンターでお仕
事をさせていただく機会を得て、大変光
栄に存じます。産科婦人科医師となり、
ご指導頂いた先輩方の勧めもあり、婦人
科腫瘍学を専門といたしました。お世話
になった先輩のお一人が、当センター婦
人科部長をお務めの齋藤俊章先生です。
平成3年に大学院へ入学し、平成9年
からシンガポール国立大学医学部に留
学する過程でがんの特性を表現するバイ
オマーカー研究に携わってきました。
さて、現代は2~3人に1人ががんに
罹患すると言われていますが、婦人科が
んの主体を占める子宮頸がん・子宮体
がん・卵巣がんも増加傾向にあり、本
邦では年間1万~1万3000人の女性
が前述した各婦人科がんに罹患していま
す。婦人科がん治療の歴史においては、
診断される際に約半数が進行がんである
卵巣がんを含め、手術・放射線・抗が
ん剤治療による集学的治療が重要視さ
れてきました。この時代背景の中で、基
礎研究成果を臨床応用するトランスレー
ショナル研究を発展させ、新たな診断・
治療法の確立による新世代の集学的治
療を目指したいと考えています。
赴任したばかりで、周囲のスタッフに
支えられながらの医療従事ではあります
が、病む方に安心して治療を受けて頂く
様努力して参りますので、今後ともよろし
くお願いいたします。
本年4月に九州がんセンターへ赴任いたしました
園田顕三と申します。
1996年から外科医として勤務してまい
りました。前任地の大分赤十字病院に
はのべ9年間勤め、乳腺疾患の診療の
ほか、消化器領域の化学療法や緩和ケ
アを担当していました。災害医療の担当
もしていましたので、仕事の範囲が「広
く浅く(できるだけ深く)」といった状況
でした。
今回、九州がんセンターでは乳腺診
療に専念し、経験豊富な先輩、同僚と
議論を行いながら、チームの一員として
診療に取り組めること、新薬の治験など、
通常では経験できない「未来の治療」
にいち早く触れることができることなど、
恵まれた環境に感謝しています。その分、
多くの患者さんの治療に力を尽くしたい
と考えています。
さて、赴任前には、がんセンターは「癌
の診断がついてから紹介するところ」で
「終末期が近づくと通院できない」と信
じていました。一昔前にそういった批判
があったことをよく覚えています。しかし、
実際に勤務してみると、乳腺疾患につい
ては、検診要精査の方や、地域の先生
から念のために紹介いただく患者さんも
おられます。また一方で、病状が進行し
た患者さんを支援する環境を整備するた
めに、緩和ケアや訪問看護も病院を挙げ
て推進しています。その点では「ほかの
病院と同じじゃないか」と感じています。
先生方におかれましては、どの段階の
患者さんでも、ご遠慮なくご紹介いただ
ければ幸いです。どうぞよろしくお願いい
たします。
2018年4月から乳腺科に赴任した岡本正博です。